椅子がある家というのは、台所に拠点を構えてマシュマロをひたすら焼きつつコーヒーをすすりつつマシュマロを焼きつつ本を読んだりできるので楽しいなと思った。
以前の私の家にも椅子はあったが、台所で物置として使われていたり、物置で物を置く用のテーブル台のように使われていたり、椅子としての使われ方をしていなかった。
居間が畳だったため余計に使わなかったのである。
あるとき映画「キャバレー」に出てくるような椅子を使うショウに憧れて、ノリで椅子を買って自分の部屋に設置したことがある。コストコで購入した折り畳み式の割にしっかりしている椅子だ。
そんで上に乗って(座るというより乗るという表現が正しいように思える。)「キャバレー」のショウみたいに足を曲げて伸ばしたり、背もたれに手をかけて体を反らせて遊んでいた。
椅子としての役目はどこへ行った!
部屋で「座って本を読みたい」だとかの椅子需要があるときは脚立に腰かけたり、ベッドにクッションをぼんぼん置いてその上にもたれたり、椅子に足を置いて机に腰かけたりしていた。
椅子があるけどあんま椅子じゃない!
椅子じゃないものに座る方がなんか楽しい!
そんな私だったが、アパート暮らしの今では椅子を椅子として使っている。何しろ部屋が狭い。フローリングの床に座る気が起きない。椅子を椅子として使ってみたくなる、それが狭いフローリングの部屋なのだ。
もちろんたまには脚立も椅子として使っている。
脚立を椅子として使うのはもっぱらベランダで煙草を吸うときである。
ソファは寝床である。
布団も寝床だが、ソファの役目もする。
自由!
あとは、風呂でどうやって遊ぶかを考えられたら、さらに、家での居所が増える気がする。
お風呂につかるとき用の椅子でも探してみようかなあ。